129. ハチクマ(タカ目タカ科)

ハチクマの雄(写真:中村照男)


ハチクマの雌(写真:中村照男)


ハチクマの幼鳥(写真:中村照男)


ハチクマの渡りルート(提供:信州タカ渡り研)
ハチクマは、渡りをするタカとして知られています。秋の渡りの頃はサシバと共にタカ柱(渡りは上昇気流にのって高度を上げて 移動しますが集団のときは蚊柱状態となる)を形成し圧巻です。

ハチクマの羽色は様々で一定していず地方色ともとれるため別種か亜種(地方型)について研究者のあいだでまだ一致していない ようです。一応に同種としておきますと分布域はユーラシア大陸のほぼ全域になります。北部のものは冬には 南部に渡りますがアジア南部のものは留鳥のものもいるようです。日本には夏鳥として渡来し、冬はアジアの南部に渡っていきます。

本州以北の主として山地の森林で繁殖し、主に地バチ類(クロスズメバチなど)の巣を掘り起こして幼虫やさなぎを食べています。そのため 地面を掘る強い足と密生した羽毛でハチの攻撃も平気のようです。ハチ類の毒にも免疫があるのかもしれません。
ハチの巣を襲うハチクマ

渡ってからの営巣なので巣はノスリやカラスなどの古い巣を補強して利用します。
一般的な繁殖期間は、
5月〜ディスプレイ〜巣作り、
6月〜産卵、
7月〜孵化育雛、
8月〜巣立ち、
で、巣立つとまもなく渡りの試練が待っています。


(文:大関豊)
夏鳥(安曇野:夏鳥として渡来し繁殖しています)
L72〜80cm、W140〜165cm(雌の方が大きい)
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