アトリは、橙と黒の模様が入り混じったきれいな小鳥です。雄の夏羽は頭も黒くなるので胸の橙色が特に引き立ちます。尾は
アトリ科特有の凹尾で上尾筒が白いので飛んでいるときの目安となります。雌は、雄より淡い色合いです。
分布域は、ユーラシア大陸の北部の森林帯で繁殖し、冬にはヨーロッパ、東アジア、南アフリカなどに群れをなして渡ります。
日本でも冬鳥としてやってきます。非常に大きな集団を形成する習性があり二千羽くらいの数を見たことがあります。世界では
100万という数の集団ねぐらもあるそうです。
日本にはシベリアで繁殖したものが、10月頃には渡ってきますが、当初は山地で過ごし、雪とともに平地におりて来ます。キョ
キョキョキョと鳴きながら集団で飛んでいる姿はアトリ特有のものがあり印象的です。
(文:大関豊)