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クロジは、アジアの極東である日本、サハリン、カムチャッカ半島で繁殖します。日本では中部以北の山地(北アルプスの
日本海側に多い)と北海道で繁殖していますが、局地的です。林床にササのおい繁った林を好みます。
秋冬には本州中部以南の暖地に移動して越冬しますが、薄暗い林の中でえさなどをついばんでいます。
雄は、その名のとおり全身が黒っぽく見える暗青灰色で、わずかに嘴の一部と足が黄褐色です。薄暗い林のヤブにいると目に付きにくいです。
雌は雄と違い、茶褐色と黄褐色のバフ色で全体的には茶系です。黄褐色の眉斑と頭央線があり、喉から胸のバフ色と黒褐色の縦斑も
あります。腰から上尾筒と尾は茶色です。
雄の若鳥は頭部から上面が茶色で雌に似ています。
さえずりは「ホーイ、チヨチヨ」と鳴き、地鳴きは、他のホオジロ類と同様「チッチ」とか「ツッツ」と鳴きます。ホオジロ類の
地鳴きは区別が難しいのですが、クロジは細くて弱い・・と思います。
(文:大関豊)
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