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サンコウチョウは、雌雄とも顕著な冠羽があり、眼瞼が裸出していてくちばしと共にきれいなコバルトブルーをしています。尾は長く特に雄の尾羽(中央の2枚)は
体の倍(30〜35センチほど)にも達するものもあり特徴的です。雄は、この長い尾をひらひらとさせながら枝移りをし、まるでリスのように樹間を
飛び回ります。 雌の尾は短く9センチほど、雄のような長い中央尾羽は持ち合わせていません。
分布は、ルソン島の北部から台湾、沖縄、日本の本州などです。一部は留鳥ですが、日本の本州で繁殖するものは東南アジアなどに渡って越冬します。
本州中部には、夏鳥としてだいたい5月の初旬頃にやって来ます。渓流の近くのよく繁った広葉樹や針葉樹の薄暗い混合林を好みます。「ツキヒーホシ、ホイ、ホイ、ホイ」
と聞こえる独特の声で鳴き「月日星」と聞こえることから三光鳥といわれます。この声は雌も発します。巣は薄暗い山林にあり、細い二又や三又の小枝にV字型の
巣を作ります。抱卵と育雛は雌雄交代で行い交代するときは「ピッピッピ」と合図をして入れ替わります。
雄は鉄棒の大車輪のような回転をすることがありますが、ディスプレイの一種だと考えられています。
(文:大関豊)
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