メボソムシクイは、ユーラシア大陸の亜寒帯からアラスカの西部で繁殖して冬には東南アジアなどに渡り越冬します。日本は、
メボソムシクイの繁殖地の最南にあたり、北海道や本州、四国の亜高山から高山帯の針葉樹林、あるいは森林限界付近まで住みか
とし雪が溶けるとすぐに繁殖活動に入ります。
ムシクイ類は、よく似た姿をしていて判別が難しいのですが、よくしたもので鳴き声(さえずり)がそれぞれ違います。
メボソムシクイは、「ジョリ、ジョリ、ジョリ」と鳴き、「ジッ、ジッ」という声もだします。ですので「ジジムシクイ」という
別名があります。(注:私がつけたあだ名ですので他では通用しませんよ(笑))
山岳地帯の登山中、潅木などに止まって鳴いているメボソムシクイに出会います。その付近はテリトリーであって、巣があるかと
思います。巣は、一般的なお椀型でなく球形をしているそうです・・が、私は見たことがありません。
蛇足ですが、別亜種にユーラシア大陸で繁殖する「コメボソムシクイ」がいます。日本では通過の際に目撃されます。安曇野では
だいたい6月上旬頃に平地の林や山林などで目撃されます。ムシクイ類は姿形が似ていて判別が難しいのですが、さえずりが違う
ので鳴いてくれれば同定できます。メボソムシクイは「ジョリ、ジョリ」と2拍子、コメボソムシクイは「ジジロ、ジジロ」と
3拍子で鳴きます。このさえずりを確認できれば、コメボソムシクイであるといえます。
(文:大関豊)