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頭上を飾る冠羽がレンジャク科の特徴です。レンジャク科は世界で3種ですが、その内、日本には「キレンジャク」と「ヒレンジャク」
の2種が飛来します。あとの一種は「ヒメレンジャク」で北アメリカの北部で繁殖しています。
ヒレンジャクは全長約18センチ、キレンジャクより若干小さく体はぶどう褐色、顔には赤味があり過眼線と腮(さい、あごの
こと)の黒色が目立ちます。キレンジャクに似ていますが、腰は灰褐色で腹部中央は黄色で下尾筒は赤です。そして、尾は黒く
先は緋色です。
ロシアのアムール川流域で繁殖し、冬には朝鮮半島や中国東部、日本にも渡ります。ヒレンジャクは西日本、キレンジャク
は東日本に多いとされていますが、渡来数は不規則でまったく来ない年もあります。多数でやって来た年は、柿やりんごの実、
ヤドリギ、ピラカンサの実などに群がってそれはそれは賑やかです。郊外の電線に鈴なりに並んで止まったりします。
「チリチリチリ」と細い声で鳴き「ヒィーヒィー」と鳴くこともあります。
(文:大関豊)
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