330. コノハズク(フクロウ目フクロウ科)

コノハズク(写真:中村照男)
コノハズクは、小型のフクロウで日本に棲むフクロウ類の中では最小です。全長約20センチ、体重は約80グラム。羽色は個体差 がありますが、暗褐色、灰褐色、淡褐色の複雑な虫食い状の斑紋となっています。色の濃い「柿色型(赤色型)」も存在します。 虹彩は黄色で耳羽はありますが普段はあまり目立ちません。

分布は広く、ヨーロッパ南部から中央アジア、東南アジア、中国東部と北部、日本などで繁殖します。北部のものは部分的に渡り をし、冬は東南アジアなどに越冬します。日本では夏鳥として全国的に渡来し、山地の林や場所によっては平地の林に棲んでいます。 だいたいは森林をすみかにしていますが、奥山よりは村落のはずれの林や寺の境内にいることが多いようです。
鳴き声はいわゆる「仏法僧(ブッポウソウ)」と聞きなし(人間がわかりやすいように置き換えたもの)しますが「ブッキョッーコー」 と鳴きます。ブッポウソウという名の鳥は別にいますが、昔、この声のする近くにいた鳥をブッポウソウと名づけてしまった、と いう話はあまりにも有名です。それほどにコノハズクは人目につきにくく目立たない、ということなのでしょう。 (文:大関豊)
夏鳥(安曇野:夏鳥として山地にやって来ます)
L18〜20cm、W42〜49cm
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