321. カッコウ(カッコウ目カッコウ科)

カッコウ(写真:中村照男)


カッコウのなわばり争い(写真:中村照男)


タカそっくりのカッコウの飛翔(写真:中村照男)
カッコウを代表とするカッコウ科の仲間は、託卵(他の巣に産卵し育児は他人まかせ)という特異習性で知られています。日本では4種 (他に、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチ)がいますが、全て託卵します。カッコウの託卵相手は、オオヨシキリ、アオジ、モズ、 ノビタキ、ホオジロ、キセキレイ、アカモズ、コヨシキリ、最近ではオナガなど多種にわたりますが、託卵についての詳細はこの場では 控えます。
繁殖期になると雄はかなり広いテリトリーを持ちます。テリトリーを守りつつ、たえず飛び回って雌を待ちます。雌は、 産卵期が近づくと仮親となる小鳥の巣を探します。トケン類の飛翔はタカによく似ていますが、いよいよとなるとタカに似せた擬態で 巣に近づき卵を産み落としてしまいます。
日本では、夏鳥として渡来し繁殖(託卵)しますが、信州の安曇野では、5月上旬〜中旬に姿をみせます。「カッコー、カッコー」と 聞こえる声は、高原の清々しさを感じますね。

蛇足ですが、カッコウという名前は、その鳴き声からつけられました。 英語ではクックー(Cuckoo)、 ドイツ語でクックック(Kuckuck)、 フランス語でクークー(Couou)、 スペイン語でクコー(Cuco)、 オランダ語でクークークー(Koekoek) などいずれも鳴き声からつけられたものであります。
(文:大関豊)
夏鳥(安曇野:5月上旬〜中旬にやって来ます)
L35cm、
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