カッコウを代表とするカッコウ科の仲間は、託卵(他の巣に産卵し育児は他人まかせ)という特異習性で知られています。日本では4種
(カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチ)がいますが、全て託卵します。
ジュウイチは、他のカッコウ類と羽色が違い胸に縦斑はなく尾羽にはタカのような横帯があります。姿形はタカにそっくりで英語名は
「Hawk-Cuckoo(ホーク・クックー」と呼ばれているほどです。
東南アジア、中国の南部と東北部、沿海州、日本などで繁殖し、南系のものは留鳥ですが、北のものは冬には東南アジアなど暖地に渡ります。
日本には夏鳥としてやってきて主に亜高山帯の針葉樹林にすみ、主にオオルリやコルリなどに託卵します。これは卵の色が同じ青系だからごまかし易いのだと思われます。
他には、ビンズイ、ルリビタキ、コマドリ、キビタキなどにも託卵例があります。
鳴き声は「ジュウイチー、ジュウイチー」と聞きえる声で鳴き、そのまま名前となりました。
(文:大関豊)
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