278. クロハラアジサシ
(チドリ目カモメ科)
安曇野に来たクロハラアジサシ(写真:大関豊)
飛翔するクロハラアジサシ(写真:大関豊)
クロハラアジサシは、体長25センチほどで小型に部類されるアジサシです。ですが、尾の切れ込みは浅く短いので体型的にはアジサシと遜色ありません。
夏羽では、下面が黒くて頬から頸側が白く目立ちますので分かりやすいのですが、冬羽は他の種と似ています。夏羽の嘴は暗紅色、足は赤色ですが、冬羽の嘴は 黒っぽく下嘴の基部にやや赤みがあり、足も暗褐色となります。
他のアジサシ類と違ってあまり水上性ではないらしく、田畑や牧場などでも採餌することがあってコロニーは家畜が出入りする水辺の草原に多く見られますが、それらは 家畜によって掘り起こされた植物を巣材に使うからのようです。
この鳥は、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの各所に点々と繁殖していますが、日本には旅鳥として稀に目撃されます。
長野県では、1992年5月3日に長野市屋島の千曲川の記録があり、安曇野では、2016年7月24日に明科御宝田で初記録されました。
(文:大関豊)
旅鳥(安曇野:ごくごく稀な迷鳥と思われます)
L25cm