254. アカエリヒレアシシギ(チドリ目シギ科)

アカエリヒレアシシギ夏羽雌(写真:大関豊)


アカエリヒレアシシギ幼羽(写真:大関豊)


アカエリヒレアシシギの足(写真:大関豊)
アカエリヒレアシシギは、赤いえりとヒレのついた足を持つシギです。そのまんまですね。

えりが赤いのは繁殖期(夏羽)のときだけで冬には地味な白い羽毛の混じった灰褐色となります。幼羽は頭上と上面が黒っぽくて 黄褐色の羽縁とV字線があります。

繁殖地は北極圏とその近辺でヨーロッパではスカンジナビア半島とアイスランド、アジアではシベリアの北部です。繁殖が終わると 南下してアラビア海、アフリカ沿岸、インド洋、ニュージーランドやペルーの沖合いの洋上で越冬します。日本では渡りの通過のさいに 海岸近くで比較的普通に見られる旅鳥です。ときに内陸に入り込み野球場のナイターの照明に引き込まれることもあります。 ですが大部分は海上生活をしながら洋上を通過していきます。
内陸の安曇野では渡りの時期に目撃されますが、数も少なくまた稀です。

足にヒレがついているといってもカモのように完全ではないため地上でも敏捷に歩くことができます。人を恐れず脅かしさえしなければ すぐ近くまで近づいて観察できます。くちばしは細くて例えれば「つまようじ」が付いているようです。

(蛇足)
ヒレアシシギの仲間は世界で3種(アカエリヒレアシシギ、ハイイロヒレアシシギ、アメリカヒレアシシギ)だけですが、ふつうの 場合と違って雌のほうが雄より大きくそして色どりもきれいです。
(文:大関豊)
旅鳥(安曇野:春と秋の渡りの時期に通過するも稀です)
L19cm
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