218. キリアイ(チドリ目シギ科)

キリアイ(写真:大関豊)


縞々の頭と先が下に曲がるくちばし(写真:大関豊)


動画:安曇野に飛来したキリアイ(撮影:大関豊)
キリアイは、全長約17センチほど、トウネンよりやや大きいぐらいの小型のシギです。オバシギ類のひとつと言えますが、キリアイ属に属しています。(キリアイの属名 Limicolaは”沼地に 棲む”の意味があります)
特徴は頭の模様です。褐色の頭上の頭央線、そして過眼線の上に頭側線があるので、白い眉斑が2本に見えます。上から見ると縞々模様でなんともかわいらしいのです。少し長めのくちばし で先端が下に曲がるのも特徴です。
背は全体に黒いが褐色の線でうろこ上の模様が描かれており、さらに白い帯が入っています。冬羽では淡い灰色となり、幼羽はヒバリシギに似ています。幼鳥の足は黄色味のある個体が多いようです。

スカンジナビア半島の北部やシベリアのツンドラ地帯で繁殖し、冬には地中海沿岸や北アフリカ、東南アジアなどに渡って越冬します。
日本には春秋の渡りの時期に渡来しますが、春は、ほとんど記録がなく秋のほうに良く見られますが、数はそれほど多くありません。
トウネンの群れに混じっていることもありますが、どちらかというと孤独を愛し単独でいる場合が多いです。危険を察すると草むらに逃げ込みその場にうずくまりじっとして危険が過ぎ去るのを 待っています。

海岸の干潟や河口の浅瀬で「ジュリー、ジュリー、」と、ときどき鳴きながらトビムシやゴカイなどのをあさります。また水田や沼地などにも現れます。
(文:大関豊)
旅鳥(安曇野:極めて稀。2012年8月初飛来)
L約17cm
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