ヨーロッパトウネンは、類似のトウネンよりもやや小さめの全長約14センチ、体重30グラムほどの小さな鳥です。夏羽では頭上から上面は茶褐色で黒い軸斑で背には白いX字形の
線があります。嘴と足はトウネンと同じく黒い、ので見逃されやすいですが、足が若干長いのでトウネンより腰高で採餌の姿勢が前かがみに見えます。
シベリアで繁殖し、冬になるとヨーロッパ南部の地中海沿岸、アフリカ中南部、喜望峰やセイロン島などにまで渡っていきますが、日本では旅鳥として少数がごく稀に飛来し、トウネンと
一緒にいることが多いです。
飛び立つ時はひらひらとチョウのように舞い上がるが、飛び方そのものは速く多くのオバシギ類と同様に群れを作る性質が強く、またあまり人を恐れないようです。
古い図鑑(1970年代以前)では「ニシトウネン」として紹介されています。
(文:大関豊)