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ムナグロの夏羽は、目の下から喉、そして腹にかけて黒く、それゆえ「ムナグロ(胸黒)」と呼ばれています。背は黒地に黄色の斑が
散らばっており、眉からつながった白い線が背と腹の境を分けています。冬羽では、この黒い腹はなくなり全体に黄色っぽくなります。
同じ仲間のダイゼンよりは、小さくて且つ黄色味が目立ちます。幼鳥は冬羽に似ていますが、胸から腹にかけて横斑があります。
ムナグロは、シベリア東部、ベーリン海の沿岸、アラスカ、カナダなどのツンドラで繁殖し、冬には、東南アジア、オーストラリア、
ニュージーランド、また、南アメリカのアルゼンチンなどに渡って越冬します。日本には、旅鳥として春と秋に飛来します。
どちらかと云うと内陸の水田や湿地などに姿を現し、海岸や干潟では数が少ないです。これは、エサが昆虫やその幼虫、ミミズ類、直翅目
(バッタなど)双翅目(ハエ・アブなど)の幼虫を好んで食べるためと思われます。
ムナグロは飛翔も巧みでスピードも速く、地上に降りるときは旋回をして安全を確かめたうえで着陸します。そして、渡りは夜に行われま
す、と聞きました。
(文:大関豊)
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