188. コチドリ(チドリ目チドリ科)

コチドリ(写真:丸山隆)


コチドリ(写真:大関豊)


コチドリ幼鳥(写真:大関豊)
コチドリは、チドリ類の中でもっとも小さく16cmほどです。留鳥であるイカルチドリと良く似ていますが、身体が小さくてくちばしが 短く足も短く眼にくっきりと黄色い縁があるのが特徴であり違いです。羽色は背面が灰褐色で腹は白、胸には黒い首輪があります。額には 黒い線があります。

分布域はきわめて広くヨーロッパ、アフリカ北部、アジアの大部分で繁殖します。熱帯地方以外は渡り鳥または標鳥で冬季はアフリカや 東南アジアで越冬します。
日本には夏鳥として渡来し、ほぼ全国各地で繁殖します。冬には南方へ渡りますが、九州では越冬するものも あるようです。海岸沿いの砂浜や内陸では湖沼のほとりや河原にすんでいて、水辺の昆虫や幼虫、カタツムリなどの軟体動物で水も多量に 飲むので水の全くない場所ではすんでいません。繁殖期には「ピォ、ピォ」と鳴いて飛び回っています。

巣はじゃりを掘った簡単なもので、抱卵期間は25日ほど、ひなは孵化して羽毛が 乾くとすぐに巣から離れ飛べるようになるまで親鳥と一緒に過ごします。
(文:大関豊)

夏鳥(安曇野:夏季に普通に見られます)
L16cm
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