144. イヌワシ(タカ目タカ科) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ワシの仲間は、海辺で魚などを捕食する海ワシ類(オオワシなど)と森林性で鳥類や小型哺乳類を獲物にする山ワシ類に
分けることが出来ますが、イヌワシは、山ワシ類の代表でしょう。
分布は意外と広く、ヨーロッパ、アジア、北アメリカの北半球に生息しています。日本では、本州の山岳地帯を中心に生息して いますが、数はきわめて少なく(300羽ほどと言われる)絶滅危惧種にも指定されています。 羽色は全体に黒褐色で後頭部は黄色味を帯びています。幼鳥は尾のつけ根と翼に大きな白いパッチ(白斑)があり、成長する 4〜5歳頃まで残ります。 獲物は地域によってさまざまですが、ほとんどの動物は狩りの対象のようで大型の鳥類、哺乳類、齧歯類、ときに爬虫類なども 捕食するようです。 ⇒トビを狩るイヌワシ イヌワシは、樹木の比較的少ない山岳地帯にすみ断崖の岩棚や太い樹上に巣を構えます。生息地は標高の高い山岳地帯と思われがち ですが、標高1000メートルくらいでも棲んでいます。テリトリー(縄張り)は5平方キロほど、ホームレンジ(行動圏)は広大 で40〜80平方キロとも言われます。だいたい一年を通じて番(つがい)でそこに棲んでいます。 一般的な繁殖期間は、 11月〜ディスプレイ、 12月〜巣作り、 2月〜産卵、 3月中旬〜孵化育雛、 6月〜巣立ち、 ですが、繁殖力は弱く産卵しない年もあり、また、兄弟の生存競争に勝った一羽だけが巣立つという習性もあって厳しいものが あります。 (文:大関豊) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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