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サシバは、渡りをするタカとして知られています。秋の渡りの頃は、数百羽のタカ柱(渡りは上昇気流にのって高度を上げて
移動しますが集団のときは蚊柱状態となる)を形成し列をなすようにして渡る姿は圧巻です。
中国東部とロシア極東の沿海州と日本で繁殖し、秋には東南アジアに渡ってゆきます。日本では夏鳥として本州以南に渡来して
低山や丘陵地で繁殖します。渡ってきた当初は山すそで「ピックーイッ、」と聞こえる声で鳴いています。
餌は主として地上の小動物(ヘビ、カエル、トカゲ、昆虫など)で開けた場所で狩りをするので森林には入ってきません。しかし、
樹上で営巣するためある程度の林がないとこれまた困るようです。日本で、こうした環境は減る一方でサシバの生息環境が
心配されます。
4月頃には繁殖地に戻り古巣を利用しますが、なんらかの影響で壊れている場合は新しく作ります。一般的な繁殖期間は、
4月〜ディスプレイ〜巣作り、 5月〜産卵、 6月〜孵化育雛、 7月〜巣立ち、 で、巣立つとまもなく渡りの
試練が待っています。
(文:大関豊)
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