139. ノスリ(タカ目タカ科)

ノスリ(写真:大関豊)


ノスリ(写真:那須野雅好)


ノスリの幼鳥(写真:中村照男)
ノスリは、日本ではトビについでポピュラーなワシタカ類です。北海道から本州、四国の低山で繁殖します。
世界に目を移して みますとヨーロッパのほとんど全域と大西洋沿岸からシベリアなどに生息しています。北部のものは、南部に渡って 越冬します。日本でも秋後半になりますとノスリの渡りが見られるようになります。

ノスリの餌は、主に齧歯類(ネズミなど)ですが、イタチやリスなどの小型哺乳類、カエル、ヘビなどの両性類、スズメ 、ヤマドリなどの鳥類と非常に幅広いものです。見通しの良い岩の上や梢に止まってじっと獲物を待ち伏せします。 この時のノスリは、頭をうずめて垂直に羽毛をふくらませてじっと動きませんが、目は鋭く見張っています。

2月の下旬にはディスプレイ、3月中旬頃には巣の補強などをして、営巣に入ります。巣は、直径60〜90センチ、厚さ40センチ 以上のがっちりとしたもので、古巣を利用するか新しく作ります。4月には産卵(3〜4個)に入り、5月〜には孵化し、早いもの では6月〜に巣立ちが始まります。巣立ち後もヒナはかなりの期間、親鳥に育てられます。

帆翔のとき、羽の両肩に黒いパッチと腹のバンドがノスリの目印です。また、低空飛翔(空中の一点で静止すること)も 得意技で、ものの見事に張り付いたように静止してみせます。
(文:大関豊)
留鳥(安曇野:一年中見られます)
L52〜57cm、W122〜137cm(雌の方が大きい)
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