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オシドリの、雄のいでたちは絵画などでもおなじみの飾り羽のきれいなカモです。長く伸びた冠羽、ほおの飾り羽、そして何より
も背中の左右にある衝立のような思羽(おもいばね、イチョウ羽とも言う)、これは三列風切羽が変形したものですが、色の鮮やかさ
と相まって独特の特徴ある姿となっています。対照的に、雌は地味な装いをしており灰褐色の羽色で首から腹にかけては縦斑です。
目の周りが白く縁取られているのがお化粧しているようで可憐にみえます。
オシドリの分布は、ロシア極東、中国東北部、日本のかけてです。日本では北海道、本州、九州で繁殖をしていて留鳥あるいは漂鳥
です。山間の渓流沿いのほとりなどに好んで棲みどんぐりなどを主食とし、木の洞などに営巣します。山地のほか、低地でも適度な
森と池があれば繁殖するものがあり、安曇野でも某所でペアがみられます。営巣場所の樹洞は数メートルも高いところにありますが、
ヒナは羽化してまもなく巣穴から飛び降りて(よく怪我をしないものだ、と誰もが思います)親と一緒に池などに移動して暮らします。
冬になると山を下りてきて林に囲まれた池などで休みます。
(文:大関豊)
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