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コハクチョウは、他のハクチョウ類の中ではもっとも北方に分布していて、シベリア北部の海岸地帯で繁殖し、北アメリカの最北部にも
生息しています。 オオハクチョウに似ていますが、それよりやや小型で・・といっても全長は1.2メートル、体重は約6〜8キロ
ほどもあり大型の野鳥です。
くちばしの根元の黄色部分がオオハクチョウに比べて小さめ(くちばしの半分より短め)で、首もオオハクチョウほど長くなく太めです。
また、くちばしの黄色部が正面から見て左右に分かれている個体もよく目にします。
若鳥は全体として汚れたような灰色をしています。
冬には渡りをし、主にヨーロッパのバルト海、北海沿岸などで越冬します。日本でも冬鳥として渡来し、北日本や日本海側の湖や川などで
越冬します。伊豆沼(宮城県)猪苗代湖(福島県)佐潟(新潟県)琵琶湖(滋賀県)宍道湖(島根県)などが知られています。
安曇野では、1984年に豊科町の犀川光ダム湖で観察されて以来、近年では1000羽を
越える越冬地となって、冬の安曇野の風物史として定着してきました。
ついでですが、迷鳥として稀に渡来するアメリカコハクチョウ(別の亜種)は、くちばしの黄色部が目の近くにあるだけ
で(わずかに点のごとく)ほとんど真っ黒のくちばしをしてます。
(文:大関豊)
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