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コクガンは、ユーラシア大陸と北アメリカの北極圏で繁殖し、秋には渡りをし、西ヨーロッパの沿岸地帯、あるいは北アメリカの
太平洋沿岸や大西洋沿岸で越冬します。コクガンの主食は藻類(そうるい)、なかでも「アマモ」ですが、この「アマモ」が大西洋
から激減した1930年ころより、コクガンも激減した経緯があります。
日本にも冬鳥として渡来しますが、青森の陸奥湾など局地的で、「アマモ」のある浅瀬の北日本沿岸で越冬します。
長野県に近いところでは、新潟県の朝日池でごく少数が観察されるときがあります。
体重が約1.2〜1.7キロ、マガンよりずっと小さく、マガモよりちょっと大きめのガンです。身体は全体に黒くて、くちばしと足も
黒です。のどに白斑があり(ないものもいる)下腹部と上尾筒、下尾筒は白です。
本来、コクガンは、繁殖期以外では砂浜のある海岸や海上にいて内陸には来ないはずですが、何かの事情で迷って安曇野にやって
きたものと思います。他に長野県では、1991年11月に諏訪湖で記録があります。
(文:大関豊)
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